最近観た映画 -2016年1月〜2月前半

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クリムゾン・ピーク

グレルモ節で再現された1900年代の意匠が見事。特に映画のために丸ごと設立された、物語の舞台となるシャープ家の邸宅は圧巻。

全体的に脚本はアレだが、それを補うミア・ワシコウスカの可憐さ、トム・ヒドルストンのゴージャス感、そしてジェシカ・チャステインの鬼気迫る狂気など、各演者の見事な演技がそれを補っていた。

 

 

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エージェント・ウルトラ

文科系のジェシー・アイゼンバーグも本格アクションを頑張っていたが、最近の室内アクション映画に比べると…。

全体的なスピード感はアクション・ロマンスのどちらに寄りすぎることもなく心地よかったが、クリステン・スチュワート演じるフィービーがどうしてそこまで主人公マイクに惚れ込んでいるのかの説得力が感じられなかった。

 

 

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ザ・ウォーク

主役のジョセフ・ゴードン=レヴィットのフランス人役の演技、そしてワールド・トレード・センターの完璧な再現には舌を巻いた。特に今は無きこのツインタワーに対する監督の深い愛情をこの映画全体から強く感じられた。

とってつけたような3D演出にはやや興ざめだが、高さ、そして距離感を感じさせる見事なCGは彼の命をかけた挑戦に肉迫させてくれる。

 

 

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残穢 -住んではいけない部屋-

「呪いのビデオ」シリーズの中村義洋監督が、原作の薄気味悪さにどこまで迫れるか、注目はしていたが、原作読了後ほどの感覚は味わえなかった。それでも、「怖さ」というよりも「居心地悪さ」に重点を置いた演出は原作のテイストにもマッチしていた。

 

  

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 オデッセイ

  

スケール感や作品のテーマに見合った重厚感で観るものを圧倒してきた諸作とは異なり、それを吹き飛ばすようなテンポ感の良さに、リドリー・スコット監督、78歳での新境地を感じた。

孤軍奮闘というよりもチームワークの勝利といったところだが、驚異のバイタリティと独特のジョークセンスで命と映画のテンションをつなぎ続けるマット・デイモンの演技は流石。

そして「趣味の悪い(笑)」ディスコ音楽満載の中で不意に流れたデイビッド・ボウイの"Starman"に思わず泣きそうになった。